「mytheresa.com」ファッション・バイイング・ディレクター
「デジタル世界が、多くのブランドのビジネスモデルをかつてなく変化させています。彼らは、かつてないほど早くモノを欲しがる新たなタイプの消費者に適応しなくてはなりません。これは時にはとんでもないことです。なぜなら彼らが年間に発表しなければならないコレクションの数は、彼らのクリエイティブなビジョンから新しいものを絶え間なく発表し続けるためには、あまりに多すぎるからです。そして、それは消費者にとっても同様で、消化するにはあまりに多すぎます」
「我々はある意味、存在の危機に陥っていると思います。私たちは自分たちにふさわしい場所はどこなのか、どうして人々はモノを買い続けたいのか、何をどのように、どれくらいの頻度で提案できるのか探っている最中です」
「ファッションは文化一般で起きていることを映す鏡であり、人々を喜ばせたり、欲求不満にさせるものです。私はある一定レベルの欲求不満は良いことだと考えています。なぜなら、人々はファッション産業が何をしているか気にするべきだからです。人々はそこに現れているイメージがどんなものか、男性や女性にどのように訴求しているか、自分たちがどのように描写されているかを気をつけて観察するべきです」
「業界は今、本当に混乱していて変な軌道を描いていますが、結局我々はファッションを愛しているのです。我々の失望は、自分たちのファッションがどのように認識されるべきか、ということと、それが実際どのように認識されているのか、ということの葛藤から来ていると思います。我々は過去にアンチ・ファッションを提唱してきました……。今は自分たちが100％ファッションだと思っていますし、それは自分たちが本当にファッションが大好きで、ファッションを守りたいと思っているからです」
「もし我々がまわりを見渡して『アメリカのファッションに何が起きているのだろう？ 素晴らしいものが何もない』と言うのなら、鏡のなかの自分を覗き込んで、それを助長するために自分たちがしていることを言ってみるべきです。我々はこう言っています、『大丈夫。あなたは間違いを犯したけど、私達は次のシーズンもここに来るわ。あなたを信じてる、立ち止まらないで!』」
「私は現在、ファッションに対して非常に楽観的です。業界は今、実験的な段階にいます。新たなアイデアが試されるのを見るのはワクワクします」
「みんな答えを求めるあまり、頭を落とされた鶏のようになっていると感じます。私は答えはひとつだとは思っていません。やり方はひとつだけではないのです。自らが正しいと思うことをやって、自分の決断に従うまでです。なぜなら、一度リサーチを終えて、自分が理解したと思ったときには、おそらくやり方も変わっているからです。そして、それがファッションの本質なのです」
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「『モーダ・オペランディ』（=ランウェイコレクションをプレオーダー出来る世界初の eコマースプラットフォーム）は、プレオーダーのコレクションに顧客がアクセスできるようにすることで市場を変えました。我々は今後さらなるイノベーションが起こり、デザイナーは自分たちに最適な方法を自由に選べるようになると思っています」
